羊毛フェルトのマトリョーシカ


先日、「消しゴムはんこのマトリョーシカ」をご紹介させていただいた亀戸在住のみちさんから、今度は羊毛フェルトで作った「マトリョーシカ〜姫だるま」のプレゼントをいただきました。


みちさんはステーショナリーやTシャツも扱う雑貨のネットショップも開いていて、手づくりの羊毛フェルトマトリョーシカや、消しゴムはんこマトリョーシカも販売されてます。

みちさんのお店 邪悪な雑貨屋「フランティック」


ニードル・フェルトという素材でオブジェを作るという手法といえば、以前NHKおしゃれ工房の講師もされていたという石田百合さんが、数年前まで下北沢での催し「お砂糖通り人形店」に出品されていたのを見て、その孤高のアートといったイメージの不思議な世界を強く印象づけられたものでした。

石田百合さんのblog 「庭師の寝言」


その頃は、羊毛フェルトでハンドメイドといってもまだまだ耳慣れないものでしたが、いつのまにか世間では大流行しているみたいで、あちこちで見かけるようになり、いろんな参考書も手軽に入手できるようになっていて、その広まりのあまりの速さに驚いてます。


フェルトのマスコット&雑貨 (きっかけ本)
フェルトのマスコット&雑貨 (きっかけ本)

消しゴムはんこマトリョーシカ」のときも書きましたが、あらためて現代日本の草の根の「民芸」の層の厚さを思い知らされる思いです。


そういえば、石田百合さんは羊毛フェルト・アーティストであると同時に大のグルジア通でもあって、2007年に巣鴨で開かれたグルジア*ミラクル展には、ぼくもちょっとだけお邪魔してきたことがありました。

そのときは、中世の面影を色濃く残す黒海沿岸ののどかな国、という印象しか持っていなかったので、2008年にロシアとの紛争で一躍注目を集めることになるなんて夢にも思ってませんでした。不勉強を恥じるばかりです。


マトリョーシカが誕生した19世紀末、帝政末期のロシアと、21世紀のロシア共和国と。1世紀の時を経てイデオロギーが移り変わっても、何も変わらず今もまた帝国主義の時代が続いているのかもしれません。


こんな時代にもう一度、かつてのマトリョーシカがそうだったように、ぼくらの世代の日本のアートや民芸が国をこえて伝わって、時代をこえて愛されるような力を持った作品を産み出すことができたらいいのに。

ちょっとだけそんなことを夢見てしまいました。




"マトリョーシカと姫だるま"
posted by 稲村光男抒情画工房