機械仕掛けのマトリョーシカ - 二象舎・原田和明さんのオートマタ作品





2010年2月に開催された吉祥寺の「マトリョーシカの村」は、70名ものアーティストの作品が展示され、1週間の会期のあいだに1600人もお客様にご来場いただいて、大好評だったとのことです。

ぼくも出展させていただいた一人としてとてもうれしく思うと同時に、マトリョーシカというアイテムが単なるロシアのお土産から、かわいい雑貨やファッション・グッズとしての流行を経て、いままた新たに、さまざまな分野でものを創る造形作家さんたちのイマジネーションをかきたてる呪物として復権してきた実感を得ることができました。

姫だるまや入れ子こけしをルーツとして生まれたロシアのマトリョーシカ人形が、故郷に帰って根付きはじめたような気がしてしまったのです。

最近はごぶさたしてしまっていましたこの「マトリョーシカと姫だるま」のブログですが、これからはマトリョーシカというモチーフに取り組んだ現代日本のアーティストがどんな作品を生み出しているか、できるだけご紹介させていただきたいと思っています。



こちらの動画は、シュールでユーモラスなオートマタの製作を手がける二象舎・原田和明さんの作品から。

マトリョーシカの村」の会場となった gallery re:tailに隣接するお店 poooL にて開かれている「原田和明オートマタ展『動く静物』」へお邪魔して、ふだんは山口県にて製作されているという作品の数々を拝見することができ、実際にこの「機会仕掛けのマトリョーシカ」にも触れさせていただきました。

イギリスでもオートマタの製作を学ばれたという原田さんの作品は、もちろん世界的にも通用するクオリティのものだと思うのですが、ぼくとしては何よりもその「木」という材質へのこだわりと、繊細な手仕事に、やはりどこか日本ならではのアートとクラフト、ということを感じさせられた気がします。

二象舎・原田和明さんのオートマタ展『動く静物』は4月5日まで開催中です。

http://thetail.jp/archives/2555


pool
http://www.poool.jp/

二象舎
http://nizo.jp/




"マトリョーシカと姫だるま"
posted by 稲村光男抒情画工房