マトリョーシカよりも若いおばあちゃん



ちょうど1年前の2008年7月、オーストラリアのオリーブ・ライリーさんというおばあちゃんが、惜しまれつつ108歳で亡くなられたというニュースがちょっとした話題になりました。

オリーブおばあちゃんは、1899年10月生まれ。2度の世界大戦を経験し、調理師やバー勤めなどをしながら3人の子どもを育て上げ、20世紀を生き抜いた自分の経験や現代社会への思いなどをブログに書き綴ってきた世界で最高齢のブロガーとして知られていたのです。

そのオリーブおばあちゃんが、かわいいマトリョーシカを見せてもらいながら、それが日本の入れ子人形をルーツとして生まれたという意外な歴史を興味深そうに聞いている動画が残っていました。



「このかわいいマトリョーシカ人形のアイデアは、日本からロシアへやってきたの。まだ生まれてから100年くらい。おばあちゃんよりも若いのよ」

そう言われてみると確かに、19世紀の終わりに生まれたマトリョーシカは、このおばあちゃんとちょうど同じ歴史を生きてきたことになります。

「日本の『フクルマ』からマトリョーシカのアイデアが生まれたなんて、みんな知らない。でも、マトリョーシカ人形のことは誰でも知ってる。これは本当の文化交流の物語なの」

このとても興味深いおはなしが、100年以上の長い時間の中でいろんなものを見たり聞いたりしてきて、最後まで少女のような好奇心を持ち続けたオリーブおばあちゃんのこころもとらえたようすがよくわかります。


姫だるま〜マトリョーシカTシャツ

夏が来て、Матрёшка из Японии…「日本出身のマトリョーシカ」と、ロゴ・マークのように大きく記された「姫だるま〜マトリョーシカTシャツ」を着て人に会う機会が増えました。

このロシア文字とイラストに興味を示してくれた人に、ロシアのかわいいマトリョーシカ人形の由来、実は日本の入れ子こけしや姫だるまをルーツとして生まれたというおはなしをすると、みんなオリーブおばあちゃんと同じように、とても意外そうに驚いてます。

このおはなしを、もっといろんな人に教えてあげたいな、と思っています。

姫だるま〜マトリョーシカTシャツ 詳細ページ



"マトリョーシカと姫だるま"
posted by 稲村光男抒情画工房