マトリョーシカ と 七福神

このサイトについて」のページにも書きましたが、「マトリョーシカ と 姫だるま」のサイトをつくったきっかけは、かわいいロシアの民芸人形のルーツが実は日本にあった、というおどろきから、日本の文化のことをちょっと見直してみたい、ということにありました。

マトリョーシカの起源がわが国にあったということは、けっしてぼくら日本人による身びいきな我田引水とか無理なこじつけではなくて、海外の資料でもはっきりと認められて紹介されています。


http://russian-crafts.com/nesting-dolls/history.html


それによると、マトリョーシカの起源は1890年代後半の日本の"fukuruma"なるものだったとされていて、この謎の「フクルマ」という言葉はについては、「作者名」「福禄寿」「福ダルマ」「福禄寿+ダルマ」など諸説があるそうです。

実際に「横浜の人形の家」に展示されているという七福神入れ子細工の写真を見てみると、いちばん大きな福禄寿の中から他の六柱の神さまが出てくるその構造はまさにマトリョーシカ人形そのもの。ここに何かのつながりがあることはまちがいありません。


http://blog.canpan.info/fukiura/archive/1717


思えば、七福神の信仰というのも不思議なもので、天竺・震旦・本朝の、ヒンドゥー教・仏教・道教・そして日本の神話の神々を闇鍋のように混ぜこぜにして飲み込んでできあがったわが国特有の多神教神仏習合の極致なのではないでしょうか。

そこには近代欧米の侵略の脅威によってナショナリズムが排他的な側面を持たずにはいられなくなってしまう以前の、ありがたいものならこだわりなく敬愛の気持ちをいだく融通無碍な日本庶民の姿と、古代以来の東洋の文化交流の層の厚さがかいま見れるような気がしてしまいます。

もしかしたら、七福神入れ子人形にアイディアを得た帝政末期のロシア人も、その奇妙なオブジェの中に秘められたそんな歴史に、無意識にでも感じるところがあったのかもしれません。


というわけで、そんなことも想いながら、このお正月の初詣におすすめしたいのは、7つの災いを除き、7つの福を与えると言われる「七福神」めぐり。

姫だるま〜マトリョーシカTシャツ」の発売元、日本Tシャツ・昭和元禄のサイトには「深川七福神巡り」のご案内のページもありますので、七草の間に東京にいらっしゃる方はぜひご参考にしてみてください。


http://www.showa-genroku.com/fukagawa/shichihukujin.htm



ちなみに、1月3日までは、秋葉原で行われているワンダー“Tシャツ”フェスティバルに「姫だるま〜マトリョーシカTシャツ」出品中。
よろしかったらこちらもちょっと足を伸ばしてのぞいてみてはいかがでしょうか?


http://www.mars16.com/wonder_t/


"マトリョーシカと姫だるま"
posted by 稲村光男抒情画工房